といってチョコボールをウィラポンの口元に差し出したところなんと彼は
黙って「パクッ」と食べたのだ!!
「そんなものはいらない」とか言うのが普通だろうに
これには辰吉のほうが「あんぐり」状態であったろう。
多分この時も無表情であったにに違いない!!
かっこいいぞウィラポン!!!
彼はその挑発的な辰吉と強さと優しさをもって拳を2度交えた
以下の文章は辰吉第二戦の様子です。
7ラウンド開始のゴングと同時に王者・ウィラポンは「最後のラウンドだ、お疲れ様」というメッセージを込めたグラブタッチから始めた。
第一ラウンドや最終ラウンドにはレフェリーが両者の健闘を称え合い、グラブタッチを促す事は良くあるが、ラウンド
半ばに王者の求めるグラブタッチに「このラウンドで終わらせるつもりだな」と感じとったファンも少なくないだろう
そして、一方的な王者の攻撃。辰吉にはキレがなくウィラポンの攻撃をまともに食い辰吉のヒザが笑い、腰が揺らめく。
それでも頑なに本能がリングに助けを求めることを拒絶している。
王者ウィラポンは戸惑う、「日本のファンがヒーローと称え、自分も敬意を払うに値すると感じるこの前チャンピオン・辰吉に日本のFANの前でこれ以上の打撃を与えても良いのか?」
このラウンド
辰吉に最後の打撃を加える前に、ウィラポンは試合中でありながら、対戦者・辰吉から視線を外し
リチャードスティールレフェリーに訴えるような視線を送る、「もう止めよう!これ以上彼を傷つける必要はない。」と。
(レフェリーはある程度危険だと思えばTKOにして勝負をとめることができます)
しかし、この試合が辰吉の最後の試合である事を知っている名レフェリー・リチャード・スティールはウィラポンの
視線を外し試合の続行を認める。
スティールにとっても「辰吉の本能がリングタッチを拒み続けるなら、最
後の辰吉は自ら燃え尽きるまで止められない」という心中であったのであろう。
その後、レフェリーのその考えを覆すのにウィラポンの攻撃は長くは必要なかった。
右ストレートが辰吉のアゴを打ち抜いた瞬間、レフェリー・リチャード・スティールは両者に割って入った。
スティールはその瞬間辰吉を抱きかかえにいった。ウィラポンも健闘を称えるために辰吉に近づいた。
この試合で一度も倒れなかった辰吉が崩れ落ち、スティールだけでなく、王者・ウィラポンも辰吉を抱きかかえって支えることとなった。
戦いの世界の中で、相手を気遣う気持ち・敬意を抱かせるほど辰吉のボクシング対する姿勢は感動的であると同時に、
王者・ウィラポンの戦う姿勢にも感動を覚えた。
ボクシングに対する煮えたぎる情熱を体全体から放出する日本人カリスマボクサー辰吉を強さと優しさをもって支え、健闘を称えた。